指導者と子供が共依存?部活動やスポーツ指導で陥りやすい危険性
怒りの取り扱いアドバイザー・元中学校教師
いなっち先生こと稲田尚久です。
スポーツにおけるパワハラ問題。
最近とても話題になることが増えました。
特に体操の宮川選手と速見コーチの件については、協会の体質を含めテレビでもいまだに話題になっています。
詳細は僕にはわかりませんが、中学校現場での部活動について今回は考えてみます。
指導者と子どもに信頼関係があればなんでもオッケー!?
指導者と選手との間に『信頼関係』があれば、キツイ言葉を浴びせられても、平手打ちされてもそれは『愛のムチ』だからいいといった傾向が以前はありました。
最近は、体罰のことが厳しく言われるようになって、そういった指導をする顧問は減ったのではないかと思われます。
でも、そういう考え方を持っている指導者や親は今でもいますね。
僕が教師時代、ものすごい罵声を浴びせて指導するある部活の顧問がいました。
生徒たちは最初はビビっているんですが、その罵声とゲロを吐く寸前までの厳しい指導ですごく鍛えられてました。
それまで弱小チームだったのが、その顧問のおかげで生まれ変わりました。
でも生徒たちは、朝練が終わった時点でヘロヘロ。
「もういやじゃー」
「死ぬ―」
とか、言ってました。
でも、生徒が部活を引退してからこんなことを言ったんです。
指導者と子どもが共依存になってはいけない
生徒A「久しぶりにあの怒鳴り声を聞きてえわー」
生徒B「もう完全に病気じゃな(笑)」
僕「へえー!そういう気分になるんじゃ。あんなに辞めたいって言っとったのに」
毎日、部活の文句を言いながらも、顧問の先生のことは大好きだった生徒たち。
大人になってからも、顧問の先生とは交流があったり、いい関係のようです。
でも、こういったパターンばかりじゃないこともあります。
顧問と生徒の共依存の危険性もあるんです。
DVをする人のやりかたで
罵声を浴びせ続けたり、相手を否定し続け、思考停止状態にさせる。
でもあるときは、とてつもなく優しくする。
これを繰り返すうちに、
「自分はダメな人間だ。だから自分のために厳しくときには優しくしてくれているんだ」
と、思い込むようになるのです。
洗脳やマインドコントロールですね。
そして、お互いが依存しあう『共依存』の状態になるわけです。
体操の宮川選手と速水コーチの関係もそういった部分があったかもしれません。
子供のため?自分のため?指導者は常に考えておく
厳しい指導を否定しているわけじゃないです。
熱意をもって指導することは、素晴らしい!
ただし、それが本当に
・子どものためなのか?
・自分のためなのか?
子どものためと言いつつ、実は自己満足になってはいけませんよね。
指導者は常に考えておく必要があると思うんですよ。
そして、冷静な判断ができるために、指導者はアンガーマネジメント学んでおきましょう!
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