学力向上に学校は限界!全国学力テストの順位より大切なこととは
怒りの取り扱いアドバイザー・元中学校教師
いなっち先生こと稲田尚久です。
2018年度全国学力・学習状況調査の都道府県順位が出ました。
8月1日山陽新聞朝刊に載ってました。
岡山県は小中ともに前年度より後退。
全国学力テストの順位を上げようとすれば子供は苦しむ
いろんな見方ができると思います。
この全国学力テスト。
これはあくまで僕個人の意見ですので。
テストの順位なんかより、その学校その地域で
『どんな子どもを育てたいのか?』
そこをもっと議論し、力を入れていってほしいですね。
学力は身につけたほうがいいに決まってます。
学力の低位層の底上げをしろっていいます。
でも、全員がある程度の水準を維持させるには、今の公教育では限界があると現役の頃感じていました。
全国学力テストの順位をあげることばかりに力を入れれば入れるほど、子どもは苦しみます。
それは学力低位層をフォローしきれないから。
正負の計算ができないまま1年間過ごしてきた生徒
なぜフォローしきれないのか?
勤務していた中学校で、学力向上の取り組みがありました。
数学の力をつけるために、能力別で生徒を分けて補充学習。
全教員が関わって取り組みました。
僕が担当したのは、成績下位グループ。
なんと、1年間数学を勉強してきたのに、いまだに正負の計算ができない。
「えー!?この1年間毎日どんな気持ちでj授業を受けていたんだろう?」
とてつもないショックを受けたのです。
数学がチンプンカンプンだからといって、授業から飛び出るわけでもなく、先生に反抗するわけでもない。
それでも毎日6時間授業を受けている。
苦痛以外のなにものでもないのに。
そういう子どもの姿に、やりきれない想いがありました。
教員の数を増やさなきゃ学力向上には限界がある
補充学習では、一人一人の質問に答えたり、わからない計算の解き方を教えました。
教えたときには
「あっ!そうか。そういうことか」
って、計算ができます。
ところが、次の問題になるとできなくなる。
なぜなら、少しでも数字や記号の位置が変わると、違う問題だと思ってしまうのです。
だから、また横でやり方の確認をします。
この繰り返しが続くのです。
でも、その生徒だけについておくわけにはいきません。
他にも同じような生徒がいますから。
結局、教員の数を増やさなきゃ限界があるんです。
学力向上より地域で子供を支える子どもを育てる工夫を
親御さんは全国学力テストのことよりも、我が子の進路についてのほうが重要だと思います。
全員の学力が上がるより、我が子が他の子どもよりも順位が高いことを望みますよ。
だって、そうじゃなきゃ志望校へ合格できませんから。
そういう親御さんは、学校よりも塾へ子どもを託します。
もちろん、そういう方ばかりじゃないとは思いますが、学校という公共性のあるところでは、個人の力を最大限に引き出すには限界があると思うんです。
そのかわり、さまざまな性格や個性をもつ大勢の子どもたちの中で、人との関わりを学ぶことができるのが学校の魅力。
さらに学校は地域と関わることで、地域の良さを発見したり、伝統文化を大切にしたりする力を身につけられると思います。
地域の人に関わって、あんな大人になって自分も故郷を支えていきたいって思える人が増えるようにすることに、もっと力を入れたらいいんじゃないでしょうか?
もちろん学力を上げたいならば、どんどん努力して進学すればいい。
でも早く仕事について働きたいならば、進学しなくても仕事へつけられる環境を作ってほしい。
驚かれるかもしれませんが
選り好みしなければ、それほど勉強しなくてもどこかの高校には入れる現状があるのです。
だから、子どもによっては切羽詰まって勉強しないんです。
そりゃ、学力テストの順位も上がりません。
『抜本的見直し必要』って書かれていますが、もっと違った視点で見直してみてはどうでしょうか?
いろいろと思うところはありますが、これくらいにします。
さらに本音を聞きたければ座談会へどうぞお越しくださいね。
いよいよ、今日が開催。
「いなっち夫婦に聞いてみたい!」座談会
詳しくはこちらをご覧くださいね
⇒講座情報はこちらから
アンガーマネジメント、コミュニケーション、子育て
子どもから大人まで、岡山発どこへでも
研修や講演のご相談はお気軽にどうぞ!
数人の子育て座談会から企業研修まで対応
企業での社員カウンセリングも対応
この記事へのコメントはありません。