子供の部活動に疑問あり!中学校教員の過労死を防ぐ方法
怒りの取り扱いアドバイザー・元中学校教師
いなっち先生こと稲田尚久です。
今日は中学校の部活動について。
中学教員残業月94時間!過労死ライン越え
昨日の山陽新聞朝刊1面です。
岡山県教委が2017年6月に実施した抽出調査結果。
1カ月の平均時間外業務時間が中学校が94時間と最も高かったそうです。
ちなみに、僕が教師だったとき月約70~80時間。
80時間というのは、過労死ライン。
でも、すごく残業しているという意識はありませんでした。
部活動が中学教員の働き方に影響
僕がなぜ残業しているという意識がなかったか?
それは毎日放課後にある部活動が原因。
多くの学校が16時くらいに帰りの会が終わり、その後生徒は部活動をします。
夏場だと18時までの学校がほとんど。
でも、勤務時間は16:45。
ということは、1時間15分は強制的に勤務しなければいけません。
そして、生徒を18時に下校させてから、本格的に自分の仕事に取り掛かります。
スムーズに終われば、1時間以内で終えて帰れますが、なかなかそうもいきません。
生徒指導や家庭訪問など予定外の仕事が入るのが学校現場
ところが、生徒を下校させてからもなんだかんだ急な仕事が入ります。
学校でトラブル起こしたから、保護者と子どもに学校へ来てもらっての生徒指導。
時には、親御さんからの相談の電話や来校。
「中学生が店内で騒いでいて注意しても帰らないから何とかしてくれ!」という苦情の電話を受けて、現場へ急行。
予定外の仕事が入ってくることが非常に多いのが学校現場。
こういった予定外の仕事を終えて、やっと翌日の授業準備をするときは、すでに21時なんてことも。
そして、授業準備をして学校出ると22時過ぎている。
「はあ~、今日はよう働いたわ~、疲れた」
と思いながら帰宅途中、別の中学校の前を22時半過ぎて通ってもまだ電気がついている。
俺なんかまだ楽なほうだよなあ、なんてつぶやきながら通り過ぎたものです。
部活動の在り方を本気で検討しなければいけない時期がきた
部活動は平日だけでなく、多くの場合休日もあります。
僕の持論。
・指導は外部指導者へ任せる。
・教員は指導したい者がする。
僕は部活動を否定するつもりはありません。
部活動をやりたくて教師になった人もいます。
僕は違いますけどね。
自分のやったことのないことでも顧問をしなきゃいけない。
その競技や応急処置など全く何も知らなくても、指導者をせざるをえません。
僕がまさにそうでした。
これは、子どもにとっても困ります。
「先生、怒らずにちゃんと指導してください」
こんなことを言われたこともありますから。
部活動が教師の自己満足では子どものためになっていない
部活動に夢中だった先輩の先生から聞いた話。
「めったにない日曜日に家にいて、翌日仕事へ行くとき我が子から『おじちゃん、また来てね』って言われたよ」
笑い話のような本当の話。
果たして、自分の家庭を置き去りにしてまでがいいのか?
「子どもを休ませたら、身につけた感覚や能力を低下させてしまう」
確かにそれもあるとおもいますが、適切な休養も必要なはず。
また、部活動が教師の生きがいになっているのはいいけれど、子どもの支配者みたいになっている顧問も見かけます。
ある意味、洗脳に近い状態。
親からはこんなことも。
「部活やってもらわんと、子どもが暇になって悪さする」
部活動は子守じゃありませんよ。
土日の部活動は勤務じゃないですから、部活動手当もわずかです。
あたりまえに指導してもらえるという気持ちだけは、親御さんに持ってほしくないと思います。
部活動の問題は本腰入れなきゃ、いつまでたっても変わっていかないのでは?
そんなことを学校離れても、思い続けています。
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