やってるかもしれないけどやってはいけない思春期の子どもへの対応とは?
怒りの取り扱いアドバイザー・元中学校教師
いなっち先生こと稲田尚久です。
人は成長する中で、その時々に身につけておかなくてはいけないものがあります。
それは発達課題ともいいます。
思春期に身につけておく発達課題とは?
発達課題はそれぞれの時期に達成しておかなくてはいけません。
思春期は青年期に含まれます。
この時期に達成しておかなくてはいけないことについて、発達心理学者のエリクソンは次のように言っています。
青年期の終わりに確固たるアイデンティティが発達していなければ、次の段階へと発達していくことができない。
アイデンティティとは?
自我同一性ともいいます。
ちなみに、青年期の次は成人期です。
思春期は自分探しをしているから心が乱れる
アイデンティティをもう少しわかりやすく説明すると
『自分が何者かを認識すること』
さらにわかりやすく言えば
「あなたは何者ですか?」
と聞かれたとき
「私は〇〇な人です」
と答える内容のこと。
例えば、僕ならばこう言います。
・私はセミナー講師(仕事)
・私はお父さん(家族)
・私は楽しいことや目新しいことが好き(性格)
・私はランニングやスキーをする(趣味)
・私は人を喜ばせたり幸せにする(人生)
時と場所に応じて、アイデンティティは違ってきます。
思春期は、「私は〇〇な人」ということを探し続けている時期。
だから不安定になったり、イライラしたり、心が乱れるのです。
思春期は自分の力で自己像を作らなければいけない
思春期は「自分とは何者?」「どこからきて、どこへいくのか?」といった自分への問いかけに、自分なりに答えを出さなければいけないのです。
この問いの答えに正解はありません。
自分なりの答えがあるのです。
「自分はこんな人間だ」
これを自分なりに見つけて答えを出す。
これが思春期なのです。
親の言うことに従っていると自己像を自分で作ることができない
ところが、思春期に親が子どもの自己像を決定するとどうなるでしょうか?
「あなたは〇〇だから」
さらには
「あなたは〇〇だから、こうしなさい」
と、やることまで決められる。
これでは、せっかく自分探しをしようとしても、自分を見つけられませんよね。
親の基準で自分というものが決められてしまいます。
本当の自分と親から決められた自分。
このはざまでさらに悩んでしまったり、本当の自分を押し殺したまま、青年期へ入ってしまうことにもなります。
アイデンティティを確立できないままだと、情緒の不安定さで社会へ適応できにくくなることもあります。
思春期は親が子どもを信じて手放せばいい
アイデンティティを確立できないまま大人になる。
そういう人は、大人になっても生きづらさを感じています。
さらに、大人になっても親が
「あなたは〇〇だから、こうしなさい」
と干渉してくることも。
それは、親心ではありませんよ。
子どもへの依存です。
「あなたのため」
このセリフを言っているあなた。
それはもう子どもへの依存の第一歩です。
子どもを信じて手放す勇気を親は持たなきゃいけませんよ。
このブログも参考になりますよ。
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