がんばっている教師もいること知ってください
怒りの取扱いアドバイザーいなっちです。
大阪でのアンガーマネジメントセミナー第一部終了後、入り口にベビーカーを押した若いママが来たんです。
ママ「中学校のとき稲田先生にお世話になりました。〇〇です。覚えていますか?」
僕「おおー!〇〇かあー!覚えとるでー!どうしたん?なんでここに?」
ママ「先生が教師を退職されてここでセミナーされるって知ったんで、大阪市内に住んでいるんでぜひあいさつに来ようと思って来ました。」
もう、涙が出そうなくらいうれしかったです。
この若いママ、僕が以前勤めた中学校で美術の授業で2年間関わっただけです。
(その頃の僕)
担任したわけでもなく、同じ学年団で持ち上がったわけでもないのに・・・。
先日の教え子社長に続き、もう教師冥利に尽きます。
感謝の気持ちしか沸き起こりません。ありがとう!
さて、このママ。現在育休中の現役教師です。
僕のセミナーがこの後あることを知っていたのでしょう。長話をするわけにはいかないと気を遣って、手紙を渡して帰って行きました。
その手紙の一部を紹介します。
どの子も家庭環境が複雑で、ニュースで見るようなネグレクト・虐待・・・目の当たりにして、毎日しんどい思いをしました。
通勤も危ないことが普通に起きます。
道に真っ赤な血だまりがあったり、いわゆる薬中の人につけられたり・・・。
ホームレスの人たちが寝ている横を通って通勤いています。
なかなかディープな毎日です。
稲田先生にぜひ保護者向けの講演をしていただきたいなと思っています。
子どもとの関わり方がわからなくて困っている保護者がたくさんいます。
そして、先生の専門の美術を障がいのある子ども達に何か教えてほしいな、なんて勝手ながら頭の中で楽しく考えています。
様々な家庭環境ですごしている子ども達。
それを支える先生。若いのにすごいです。
「先生なんて信じられん」
たまに、そんな言葉を耳にします。
たしかに、いい加減な先生もいるかもしれません。
ニュースや新聞で不祥事が報道されれば
「また、先生か・・・」
そんな思いになるかもしれません。
メディアは、毎日がんばっている先生のことは記事にしてもおもしろくないですから。
たった一部の心ない行動をする先生のために、毎日身を粉にして働いている先生の存在がまったく陰にかくれてしまっていると、僕は思います。
「先生はこうあるべき」
いろんな考えがあって当然です。
でも、先生も人間ですから、なんでもかんでも完璧にはできません。
僕は3月まで24年間教師でした。
だから、こんなことが言えるのかもしれません。
でも、3人の子どもの親でもありますから、親目線もよくわかりますよ。
一方的に先生の肩をもつつもりもありません。
でも、がんばっている先生がいっぱいいるのに、なんだか報われていないように思えてしょうがない。
以前中学生にこんなこと言われました。
「先生とか絶対なりたくない。だって、文句ばっかり言われて、中学生は生意気なこと言うし・・・」
あこがれの職業にならなくなっているのかな?なんて寂しい気持ちになりました。
僕は、先生を辞めましたが、これからも教育現場に第三者として関わって、子ども・親・先生、それぞれの立場を救える一人になりたい。
今回、教え子に会って、手紙をいただき、そんなことを考えました。
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